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第16回 熊野速玉大社 「なぎ人形」 - ご当地「授与品」あれこれ

ご当地「授与品」あれこれ / 平成29年10月31日 第16回 熊野速玉大社 「なぎ人形」

「なぎ人形」1500円(税込)<br>人形の頭部はご神木の梛の実でつくられている。
「なぎ人形」1500円(税込)
人形の頭部はご神木の梛の実でつくられている。

 

熊野本宮大社、熊野那智大社とともに熊野三山と呼ばれる熊野速玉大社。主祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)とされる熊野速玉大神です。摂社・神倉神社の御神体は、神代のころ熊野の神々が降臨されたと伝わる神倉山の巨石・ゴトビキ岩で、景行天皇五十八年に現社地に新たな宮を造営してお遷りになり、「新宮」と号したと伝わります。

熊野速玉大社の境内には、平重盛のお手植えと伝わる梛(なぎ)の大樹がそびえています。梛の木は古来、熊野の神を象徴するご神木として尊ばれ、名が凪(なぎ)に通じるとして、その葉はとくに船乗りの間で災難除けとして信仰されてきました。熊野参詣の人々は、道中の安全を祈り、この葉を懐中に納めてお参りすることが習わしとされています。また、縦方向に引っ張っても容易に切れないことから、梛の葉や実には夫婦円満や縁結びの信仰もあります。

熊野速玉大社のご神木の梛の実でつくられた「なぎ人形」は、男女一対のかわいらしい柱掛け人形で、家内安全や縁結びにご利益があるといいます。掛け札に書かれた和歌「千早ぶる くまのの宮のなぎの葉を かわらぬ千代のためしにぞ折る」は、建仁元年(1201)に後鳥羽上皇の熊野御幸に随行した藤原定家が詠んだもの。梛の葉を手折って参詣した往時の様子が伝わってきます。


熊野速玉大社

和歌山県新宮市新宮1番地
☎0735-22-2533
http://kumanohayatama.jp/

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