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「田んぼ学校」体験レポート(稲刈り編) - 神社検定体験団

神社検定体験団 / 平成29年10月24日 「田んぼ学校」体験レポート(稲刈り編)

平成29年10月1日、埼玉県熊谷市の古宮神社において、「第11回田んぼ学校」の稲刈り編を開催しました。
当日は100名を超える参加者で、稲刈り体験や餅つき、脱穀・籾摺り体験を行いました。また、刈り取った稲を神社に供え豊作感謝祭を行い、お米の収穫を神様に報告しお参りしました。
今回も、神社検定壱級をお持ちのモデル・MARIKOさんに、実際に体験したセミナーの様子をレポートしていただきました。

 

稲刈りの様子
稲刈りの様子
稲刈りの様子
稲刈りの様子
脱穀・籾摺り・精米体験
脱穀・籾摺り・精米体験
茂木先生のお話
茂木先生のお話
神前に奉納された稲
神前に奉納された稲
MARIKOさん
MARIKOさん

 

6月の田植え体験から早数か月。とうとう10月1日の田んぼ学校・稲刈り体験の日を迎えました。自分で手植えをした稲の生長ぶりを想像しながらこの日を楽しみにしていました。

当日は澄み渡るような秋晴れが広がり、稲刈りには最高の天気に恵まれました。
会場の古宮神社にて開校式を終え、参加者全員でワクワクしながら稲刈りのために田んぼに向かいます。
到着した私たちの目の前に広がっていたのは一面黄金色に輝く田んぼ!田植えの時には青々としていた稲が、ふっくらと立派な稲穂に生長した光景に思わず感動してしまいました。

古宮神社・宮司の茂木貞純先生よりお祓いをしていただき、いよいよ稲刈りのスタートです。
前回の田植えのように、今回も昔ながらの手作業で鎌を使い稲刈りをしていきます。

慣れない作業に初めは戸惑いがちでしたが、農家の方に「グイっと一気に鎌を引いて!」とコツを教えていただくうちに段々とリズムに乗ってきました。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざもありますが、まさにその言葉通り一本の稲にたくさんのお米を実らせて稲穂は重く垂れ下っています。

田植えした時には4本だった苗ですが、何と収穫する頃には約20本に増えるのだそうです。確かに一株の稲穂の数はグンと増え、どっしりとしています。たった3粒のお米がお茶碗一杯分、約3300粒にまでなるというのですから驚きですね。
黄金色に実った稲穂は秋の空に映えて美しく、その中で作業していると不思議と自然の生命力を間近に感じました。古来より日本人が稲作で感じてきた収穫する喜びに触れられた気がします。

古宮神社に戻ると、豊作を祝って餅つきの体験も!茂木先生の指導の下、お子さんも加わって大賑わいでした。つきたてのお餅の美味しさに思わずにんまりしてしまいます。

午後には昔ながらの精米の疑似体験も行われました。今でこそ精米機であっという間に出来ますが、脱穀・籾摺りなど昔は手作業でした。割り箸で稲穂から籾粒を取り出したり、すり鉢に入れた籾粒を野球ボールで擦って籾殻を取り除くなど、なかなか手間のかかる作業です。昔の農作業の大変さを実感しました。

さて、毎年11月23日に全国の神社で行われる秋の収穫祭・「新嘗祭」について茂木先生がお話してくださいました。
そもそも日本のお祭りの起源は稲作に深く関りがあり、豊作の感謝の気持ちを神様へ表したものなのだそう。
新嘗祭は古くから執り行われているとても重要なお祭りで、神様にその年の新穀をお供えし無事に収穫ができたことに感謝を捧げます。まさにお米が主食の私たち日本人にとってはルーツともいえる大切なお祭りですね。
伊勢神宮で10月17日に行われる神嘗祭では、全国の農家の初穂が「懸税(かけちから)」として奉納されます。そこでは何と今回田んぼ学校で収穫した稲穂もお供えされるのだそうです!
神社検定でも懸税について学んでいましたが、まさかこんな風に自分が関わることができるとは思ってもみなかったので嬉しさでいっぱいです。

最後には豊作感謝祭が執り行われ、参加者全員が刈り取った稲穂にそれぞれ自分の名前を書いて神前に奉納しました。また寄せ書きをした大きな絵馬、稲も忌衣を身に着けたお子さんによって神前へ。
自分が田植えをし、刈り取った稲穂をお供えするというのはとても感慨深いものですね。この小さな懸税は記念に大切に部屋に飾っています。

田植え、稲刈りと2回に渡る田んぼ学校に参加したことで、お米がより身近なものになりました。稲は猛暑や台風など様々な天候を乗り越えて生長します。小さなお米一粒、それはまさに恵みの結晶。そこには私たち日本人が稲作が伝わって以来2500年もの間変わらず受け継いできた自然や神様への感謝が込められています。

現代人の生活がどんなに変化しても私たち日本人の心の真ん中にはいつもお米がある。
そんな日本人のルーツを再発見する機会になりました。


古宮神社

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