神社検定体験団 / 平成29年08月16日 「田んぼ学校」体験レポート(田植え編)
体験団員No.2 MARIKO(モデル)
平成29年6月25日、埼玉県熊谷市の古宮神社において「第11回田んぼ学校」を開催しました。
朝に雨が降ってお天気が少し心配されましたが、約100名の参加者の方々とお米がどのようにして成長するのか学びながら、無事に田植えを終えました。
今回も、神社検定壱級をお持ちのモデル・MARIKOさんに、実際に体験したセミナーの様子をレポートしていただきました。
私たち日本人にとって欠かせないお米。おむすびやお餅、最近人気の米粉を使ったパンも。
自然に、様々に形を変えてお米は私たちの生活と結びついてきました。
神様のお食事である神饌でも一番大切にされているのはお米ですし、神社では五穀豊穣に感謝する神嘗祭や新嘗祭など稲作に関わるお祭りが多くあります。
今回はそんな「日本人とお米」について学ぶ日本文化興隆財団主催の田んぼ学校に参加しました。稲作体験だけでなく歴史・文化の面からもお米の大切さについて知ることができる貴重な機会です。
場所は埼玉県熊谷市の古宮神社。「神社のいろは」特別セミナーでも講師を務めていらっしゃる國學院大學教授・茂木貞純先生が宮司をされています。
田んぼ学校当日、集合時間に降っていた雨も到着する頃にはすっかり上がり、気持ち良く1日が始まりました。
開校式のあと、まずはこれから植える苗が無事に育ち豊作となるようにと、豊作祈願祭が執り行われました。昔は田植えの前に地元の神社で豊作祈願をしたのだそう。江戸時代には武士の禄や農民が納める年貢もお米でした。お米が人々の生活にとってとても重要なものだったことが伺えます。
田んぼ学校では多くのお子さんが参加しますが、豊作祈願祭では献饌という神饌を神様にお供えする役目を担う一幕も。忌衣(おみごろも)を身に着け、これから植える稲や魚、野菜、果物などを大切そうにそうっと運ぶ姿には思わず笑みがこぼれます。
祝詞奏上、地元の小学生による浦安の舞の奉納などを経て、豊作祈願祭が無事に終わりました。
さて、お米は私たち日本人にとって一体どんなものなのでしょうか。茂木先生が「日本人とお米」というテーマでお話ししてくださいました。
稲作は約2500年前に九州に伝わり、あっという間に全国に広がったそう。このお米を、日本人は神様からの授かりものだと考えていたのです。
太陽神であり日本人の総氏神でもある天照大御神の孫、番能邇邇芸命(ほのににぎのみこと)が天降る際、天照大御神は稲穂を授け米作りを広めるよう伝えたといわれています。
番能邇邇芸命は「稲穂がたくさん実る」という意味の若々しい神様で、高く積み上げた稲積の頂に降りていらしたのだそうです。こうしてお米は天照大御神からの授かりものだとして、昔の日本人は稲作を続けてきました。
また、お米を食べるだけで栄養がしっかり摂れるというお話も!でんぷんやタンパク質、ビタミンが豊富なお米はまさにスーパーフード。長期保存ができ、味噌や酒にもなるお米は日本人の知恵が詰まった宝物ですね。
ところでおむすびとおにぎり、皆さんはどちらの呼び方をしていますか?
ここではぜひ「おむすび」と呼んでくださいね、とのこと。「おむすび」の「むすぶ」は「むすひ(産霊)」という万物を生み、成長させる神様の力を表しているのだそうです。厳しい冬から春になり、新たな生命が芽吹き実りの秋へと向かう、そんな自然の力強さに昔の人々は万物を生む大いなる力を感じたのかもしれません。
お米について学ぶと、自然との向き合い方も変わってきます。楽しいおむすび作りやポン菓子体験などを経て、いよいよ田植えに向かいます。
全員で田植えをする前に、お子さんの中から希望者が伝統衣装に身を包み早乙女・白丁として豊作祈願祭でお祓いした苗を植えるのですが・・・何と、今回人数の関係で私も早乙女を務めることに!
まずは田んぼに入る前に参加者全員お祓いをしていただき、早乙女・白丁が田んぼへ。私は秋田県出身ですが田植えは実は初体験。田んぼに入ると、柔らかくてあたたかな泥の感触に包まれます。これから植える苗が無事に育つよう、祈りを込めながら植えさせていただきました。
その後の参加者全員での田植えでは、合図と共に皆で息を合わせながら植えていきます。まさに稲作は共同作業、こうして日本人の協調性が培われてきたのだなと感じました。参加者の皆さんもどんどん田植えの楽しさに引き込まれ、作業に没頭していく姿が印象的でした。終わる頃には達成感で満たされ、足の泥も勲章のようでした。
日々当たり前のように食べているお米は昔から日本人が大切に伝えてきたもの。素晴らしい恵みを与えてくれる神様や自然、全てのものに「いただきます」という感謝の心を大切にしたいと改めて感じる日となりました。
古宮神社
記事一覧
-
令和5年04月01日
-
令和元年12月16日
-
令和元年07月11日
-
令和元年07月11日
-
令和元年06月11日
-
令和元年06月11日