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「初穂曳に参加しました」体験レポート(第3回) - 神社検定体験団

神社検定体験団 / 平成29年01月01日 「初穂曳に参加しました」体験レポート(第3回)

体験団員No.1 中尾千穂(扶桑社・皇室編集部)
伊勢の神宮で行われる神嘗祭(かんなめさい)を奉祝して、地元の神領民(しんりょうみん)が、全国から寄せられたその年の新穀を神宮の神域に曳き入れ、奉納する行事が「初穂曳」です。平成28年10月15日(土)、外宮(げくう)の初穂曳に、約100名の神社検定合格者が「特別神領民」として初参加。さらに約20名の壱級合格者が、同日夜に外宮で行われた「神嘗祭由貴夕大御饌」を奉拝しました。その貴重な体験をレポートします。


 

外宮の御垣内参拝へ向かう
外宮の御垣内参拝へ向かう
記念の初穂のお守り
記念の初穂のお守り
スーツに着替え宇治橋前に集合
スーツに着替え宇治橋前に集合
内宮の御垣内参拝へ
内宮の御垣内参拝へ

 

両宮でカケチカラを目前に御垣内参拝

解団式の後は、御正宮(ごしょうぐう)での御垣内(みかきうち)参拝へ向かいます。神宮では通常の参拝は外玉垣(とのたまがき)の外側で行いますが、今回はその内側の御垣内で参拝することができます。御垣内は中重(なかのえ)とも呼ばれ、神職がお祭りを行う神聖な場所です。

神宮の御正宮をはじめとしたご社殿は、平成25年の第62回神宮式年遷宮で建て替えられています。古殿地(こでんち)越しに見える御正宮は、素木造(しらきづくり)のご社殿に茅葺(かやぶき)屋根に千木(ちぎ)と堅魚木(かつおぎ)を戴き、清々しく立派な佇まいです。

御正宮の板垣南御門をくぐると、神職の方に迎えられ、御垣内に通されました。広々とした御垣内には石が敷きつめられ、中央に中重鳥居が建っています。目の前の内玉垣の奥には、大御神が鎮まる御正殿(ごしょうでん)の屋根が見えます。内玉垣には、全国から奉納されたカケチカラ(懸税)と呼ばれる初穂がずらりとかけられていました。なかでも中央・内玉垣南御門の一番近くにかけられているのは、ひときわ大きく、白い紙垂(しで)のついた稲束。これは、天皇陛下が皇居でお作りになった御初穂です。いかにも日本らしい、晴れ晴れとした光景……。中重鳥居の手前に並び、一同、二拝二拍手一拝で参拝しました。

御垣内に滞在した時間はわずかなものでしたが、目にした光景を脳裡に焼きつけて、御正宮を後に。その後、外宮からバスに乗り、再び神宮会館へ移動。車内では記念のお初穂のお守りをいただきました。

昼食をすませた後、今度はスーツに着替えて宇治橋前に集合し、内宮の御垣内参拝へ向かいました。宇治橋の下を流れる五十鈴川は澄みきって、神域の山々も青空に美しく映えています。火除橋(ひよけばし)を渡って手水を取り、巨樹が繁る参道を進みます。左手に見えてきた石段を上がり、御正宮の御垣内へ。外宮と同じく、内玉垣には初穂がずらりとかけられています。御正殿の千木は、外宮では外削ぎでしたが、内宮では内削ぎ。そんなところも、御垣内からはよく確認できました。

 

大御神に感謝を捧げる

「御神楽」を奉納

内宮の御垣内参拝後には、神楽殿で御神楽(おかぐら)を奉納しました。御神楽をあげてのご祈祷は、大御神への感謝と真心を表し、大御神の更なるご加護をいただくものです。

神楽殿の広い座敷に座し、神職のお祓いを受けます。ご神前に神饌が供えられ、神職が祝詞(のりと)を奏上。その後、楽を奏する伶人(れいじん)と舞人による御神楽が始まります。

まずは、2人の巫女がご神前に進み出て、ゆったりと倭舞(やまとまい)を舞います。宮中の儀式で舞われる倭舞は、本来は男性による4人舞ですが、神宮では明治時代に乙女舞に改められたのだそうです。次いで、古式装束に身を包み、榊を手にした男性が進み出て、人長舞(にんじょうまい)を舞います。榊についた白い輪は御鏡を模したものといわれます。最後は、舞楽(ぶがく)です。舞楽にはさまざまな種類・曲目がありますが、今回は緑色の面を着け、銀色の桴(ばち)を手に舞う納曽利(なそり)という曲目でした。

御神楽の奉納が済むと、神社検定合格者による初穂曳の行程は終了。夕暮れを前に、神楽殿の前で解散となりました。

レポート:中尾千穂(扶桑社・皇室編集部)

 

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